株式会社 遠藤メソッド

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導入事例インタビュー # 2(2020年4月)

「株式会社多田スミス」様

株式会社多田スミス

(写真左)株式会社多田スミス 
ものづくり技術部 部長 林田寿和氏
(写真右)株式会社多田スミス 
生産部 部長 村上勝史氏

2017年3月から行為保証を導入し、かなり高いレベルで品質を維持しておられる「株式会社多田スミス」様に、自社の活動として行為保証に取り組まれている現場の声を聞かせて頂きました。

— 「行為保証2.0」を導入した経緯は?
林田氏
弊社は2001年にノーリツグループ会社となりました。その中で2007年に当時、ノーリツ品質保証部の部長であった遠藤先生より「品質管理基礎研修」「組立品質マトリックス研修」を社内で開催していただき、導入の運びとなりました。またノーリツで開催されておりました講習会に管理者数人を派遣し基礎を築いていきました。 
— 現在までどんな取組みをされて、どんな問題を抱えていましたか? やはり、不良は多く発生していたのでしょうか?
村上氏
2007年まではクレーム、特に「無し、間違い」が多発し、大きな問題となっておりました。 また市場クレームとなる大きな問題も発生していました。それまでは品質と言えば「出来栄え確認」が中心で、外観検査を繰り返し行う事で品質を担保しようとしておりました。
— 「行為保証2.0」を導入して、どれくらいで効果が表れましたか?
林田氏
2007年は導入準備期間と言う事で「製造技術標準」の作成に力を入れておりましたが翌2008年には早くもクレーム件数が大きく減りました。また市場クレームとなるような問題も激減しました。
— 品質以外にどんな変化がありましたか?
村上氏
大きな変化は安全面でもありました。2010年には社内で発生した労働災害が年間で初めて0件(それ以前は5、6件/年)となりました。行為保証が浸透し「信頼性達成点」の高い職場ほど労働災害の発生率が低いのが特徴です。
— 「行為保証2.0」を導入するのに、何か障害になったことはありましたか?
林田氏
経営トップが導入に積極的であったため、大きな障害はありませんでした。ただ導入後に現場の作業者、特にベテランの作業者ほど反発があったことは記憶しています。
— 今後の課題は? また、それをどう取り組んでいきますか?
村上氏
「行為保証2.0」を導入してから12年が経ちました。2007年当時の管理者も定年などで社内に少なくなっております。継続していくためにはやはり「行為保証2.0」に価値観を持った次のリーダー育成が課題になると思います。弊社の場合、「トレーナー講習」にリーダーを参加させています。また、同時に「社内トレーナー」による品質講習会を開催するなど社内での教育も行っています。
— まとめ —

「株式会社多田スミス」様は、早くから「行為保証」に取り組まれ、日刊工業新聞や神戸新聞などの取材も受けて頂いております。全社で取り組む姿勢が浸透しており、一体感を感じます。特に組立工程では、市場クレームはないですし「工程内不良率0.4PPM」という驚異的な数字を推移しております。それでも、良くなったり悪くなったりの繰り返しで、現場では結果に慢心することなく、粛々と活動されている印象でした。行為保証の活動を継続させていく難しさを、どこよりも実感されている企業様ではないでしょうか。今後もさまざまなフィードバックをして頂ける「株式会社多田スミス」様に期待したいと思います。

(取材先)「株式会社多田スミス」 
http://www.tadasmith.com/